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eAT金沢の話(4)
掛須秀一さんは映画をデジタル編集出来る日本で最初のスタジオ「ジェイ・フィルム」を立ち上げた人で、日本の映画界の今日の躍進を仕掛けた主要メンバーの一人だ。「萌えの朱雀」のような当時無名だった河瀬直美監督の作品を編集し、カンヌの新人賞を取ったり、「甲殻機動隊」に代表されるまさにブレイクしつつあった日本のデジタル・アニメーションを支えていた。彼は実に気さくに付き合ってくれる。私のスタジオにも気軽に遊びに来てくれたし、当時映画館内CMの仕事を始めた私の素人質問に何回も丁寧に答えてくれた。本当に感謝している。

第四回目eAT金沢の目玉はオープニング・フォ-ラムでのMACH 1.67の演奏だ。MACH 1.67とは地球の公転速度で、石井聰亙監督をVJとする大音量ノイズギターのバンドユニットで、今は休止しているがこれがデビュー・ステージだった。第六代目プロデューサとなる小野川浩幸氏が音楽監督、ボーカルが浅野忠信、永瀬正敏 とくれば、これでeAT金沢も一挙にブレイクかと思われる勢いだ。事前に行われたサイン会には1000人を越える女子中学生、高校生の列が片町の地下街を横断していた。

しかし、文化ホールでのパフォーマンスは通常のエンターテイメントとはかけ離れた硬質なもので、映像は「怒り」がテーマのようなシーンが多く、立ち上がった女の子達はあきらかに戸惑っていた。会場には地響きするような重低音が響き、ステージ中央の廃墟のようなオブジェを浅野忠信がマイクスタンドで何回も打ち降ろし破壊する。前回の森村泰昌氏の全裸シーンのあるオープニングに続き、これを許容する金沢市は凄い。その時である。舞台下手の方からするりと永瀬正敏が現われ、ステージの中央近くで止まった。私は感動を覚えた。まさにそこ、ステージの重力関係とでも言うのだろうか。そこでしかない場所に立ったのだ。世界的な俳優の力を見た。リハーサルではなかったことだ、彼の自己演出だった。

翌日はセミナーが開かれる芸術村だ。この頃はまだセミナーが同時刻に2つ開かれる形式をとっていた。観客はセミナーAへ行き、Bが気になるとBへ移動する。自治体にありがちな窮屈なセミナー感覚ではない。富士ロックのような同時にいくつものコンサートが行われるスタイルを先取りしていた。しかしこれは後にゆっくり見たいという要望もあり通常のスタイルに変更された。ついでに言えば会場ではネクタイ禁止とか、入場の印が首から下げたCD-ROMであるとか、遊び心が行き届いている。浜野さんは市長がネクタイをしてきたらはさみで切るパフォーマンスをやりたいと言っていたが、さすがにこれは行われなかった。


セミナーでもこの熱気は続いた。なにせテーマは「ムービーウォーズ……これが映画を変える」だ。圧巻だったのは押井守監督、塚本晋也監督、石井聰亙監督がずらり並んだセミナーAだ、進行は掛須さん。どんなシーンを撮りたいかという質問に対して石井聰亙監督は「スタッフの気が結晶した瞬間」「これだ!というような制作スタッフが全員感動するようなシーン」というような文脈で答え、押井守監督にもこの質問が向けられた。すると彼は石井監督の意見を真っ向から否定する。現場での偶然の出来事はいらない。私が思い描いた世界を忠実に再現したいのだという。会場はどよめいていた。確かにアニメーション映画はそうだ。このメンバーは予定調和的な発言をしない。
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【2005/10/21 19:15】 | eAT金沢 | トラックバック(0) | コメント(0)
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アート系で社会との関係性を創造しています。ミュージシャンでありますが自分のイメージは少しずれています。自分の脳を創造し、その脳が何を作り出すのかが見たいという間接的な創造を考えています。

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